経営者インタビュー:株式会社ECマーケティング人財育成 代表取締役・石田麻琴氏(中編)

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自ら売上を作ることのできる人財を育てることを目的に企業コンサルティングを行う、株式会社ECマーケティング人財育成。その代表取締役である石田麻琴氏のインタビュー第2回です。今回は同社がおこなうコンサルティングの詳しい内容や手法についてお聞きしました。

 

得意ジャンルは“ありません”

――現在の主な事業内容について教えていただけますか。

「主というかそれしかやっていないのですが、インターネットマーケティング全体のコンサルティングですね。元々はネット通販やネットショップなどのEコマースをやっているところが多かったのですが、最近では他のパターンも多いです。

例えば、これはシステム会社などBtoBの会社に多いんですけど、Eコマースではなくサイトを見た閲覧者からの問い合わせが欲しい、というパターンのクライアントさんですね。あとは、インターネットで買い物をしてもらうのではなく、サイトを見た人に実店舗の方に来てもらいたい、そのためにサイトを多くの人に知ってもらいたいというパターンもあります。

他には、情報メディアサイトとしてのPVを上げたいという会社さんなども含めて、インターネットマーケティング全体のコンサルティングのような感じになっています」

――その中でも得意なジャンルはあるのでしょうか。

「得意なジャンルというのはないですね。実は、ジャンルはあんまり関係ないんです。
何故かというと、僕のコンサルはPDCAサイクルの「C(CHECK)」と「A(ACTION)」の部分のコンサルだからです。

業界やジャンルによって異なるのは「D(DO)」の部分ですが、ここの部分は現場のスタッフに考えてもらうしかない。先ほども言いましたが、僕のコンサルは実務をやってあげるのではなく、あくまで現場のスタッフが自分で売上を伸ばしていけるように育てていくというスタンスです。そのために、行った施策の評価や改善の方法は教えます。ただし、実際に考えて施策を行うのは現場のスタッフです。

だから、得意なジャンルというのはないんです」

 

インターネットマーケティングは暗闇の的当てゲーム

――「C」と「A」のコンサルというのは具体的にどのようなことをするのでしょうか。

「インターネットマーケティングの基本は、データを取り、データを読み、その内容を元に改善を行うことです。僕はこれを的当てゲームに例えています。計画を立てて何らかの施策を行うことが、的へ向かってボールを投げることだとします。的の中心にボールがヒットすることが施策の成功です。

ただし、この的の周りは暗闇です。ネットの世界は日々変わっていきますから、『これをすれば必ず成功する』という正解はありません。そこで重要なのが、暗闇に向かって投げたボールの音を聞くことです」

――「音を聞く」ですか。

「はい。暗闇の中の的に当たったボールの音を聞くことは、先ほども言った『データを読む』ことに当たります。データを読んで施策の効果をチェックすることを、音の具合でボールの当たった場所が中心に近いのか、外れてしまったのかを判断することに例えています。PDCAの話で言うと、「C(CHECK)」がボールの音を聞くことで、「A(ACTION)」がその音の具合を踏まえて次のボールの投げ方を考えることに当たります。

この的当てゲームにおけるコンサルタントの役割は、『ここへ投げてみろ』という指針になることです。音を聞くことをせずにただ闇雲に暗闇に向かってボールを投げていても、的の中心には当たりません。データの読み方を教えて次のボールの投げ方を考えるヒントを与えるのが僕の仕事です。

ただし、あくまでボールを投げるのは現場のスタッフ自身です」

 

 

現場に入って行う「伴走型」コンサルティング

――現場のスタッフを育てるコンサルティングというのは、実際に現場の中に入って行うのですか。

「大手のコンサルティング会社って、戦略提案が軸なんですよね。マーケティングリサーチをして、戦略やマーケティングプロモーションの提案が主で、プランや仕組みを用意するものです。あともうひとつは座学のような形で教育だけを行うものもあります。

うちのコンサルはそのどちらとも違って、現場の中に入って一緒にフォローしていくというやり方です。これは『コーチング型』とか『伴走型』と表現しています。

コンサルとして現場に入り現場のミーティングにも参加するのですが、そこで現場の人達に質問をして答えてもらい、これからどんな施策を行うのか自分達で決めてもらう、というサイクルです。現場のスタッフに実践経験を積んでもらうために、1段ずつ次の階段を作っていくのに似ています。

ミーティングに経営者の人が出てきても特にその場で何かを言うわけではありません。僕の感覚から言うと、経営者の人と話すのって大きな方向性のすり合わせとか、何か問題が起こった時とか、1ヶ月に1回か3ヶ月に1回くらいでいいかなと思っています」

――問題が起こった時というのは、具体的にどのような時でしょうか。

「『あの人辞めるかもしれませんよ』とか、『あの人モチベーションが低いので人を換えないと上手くいきませんよ』とかそういったものですね。これはもう、見ていれば分かるので、気付いたベースで報告しています」

 

 

目的はただひとつ、「インターネットを使ったビジネスの成功」のみ

――そういった現場と経営者の架け橋のようなこともするのですね。

「それもありますけど、僕はあくまで『その会社がインターネットを使ってする仕事がどうやったら成功するのか』ということしか見ていないんです。だから、そのために必要ならば『人を換えなきゃいけません』ということも当然言います。

場合によっては『経営者の考え方を変えなきゃいけません』ということだって言います。他にも教育や資金の投下など色々アドバイスをしますが、全ては『インターネットを使ったビジネスの成功』という目的をベースに調整していくんです」

――では、対象の抱える課題によって調整内容も違ってくると。

「そうなんですよね。『インターネットを使ったビジネスの成功』という基本のラインは決まっていますけど、そのためにどうしたらいいかは実際に中に入らないとわからないですね。

よく『提案書作って』ということを言われるんですけど、僕はあまりそういうことはしないんです。それよりも実際に現場に行ってきちんと直接基本方針を伝えます。現場を見ずに書面だけ作るというのはできませんから」

――コンサルティングを継続する中でも、定期的に現場を訪問するのですか。

「そうですね。たまにメールだけでとかSNS上でとかいうお話もいただくのですが、それはやりません。人ってどうしても、実際顔を合わせないとやらなくなるんですよ。

例えば、僕が前回のミーティングで言ったことを期日までにできなかったとしても、メールで『できませんでした』と伝えることはすごく簡単なんです。でも、ミーティングで直接顔を合わせるとなるとそうは言いづらくなる。直接会うということにはそれだけの力があるんです。

最悪『明日コンサルが入るからやらなきゃ!』と慌ててやるのでも別にいいと思うんですよ。やらなくなってしまうよりはずっといい。データの分析と改善活動は習慣化して継続してやることが大切なんです。

そのためには直接現場に顔を出すことが必要だと考えています」

――どのくらいの頻度で訪問するのでしょうか。

「会社によって違いますが、2週間に1回、月に2回のところが多いです。ネットの世界での改善活動は自分のペースではなく市場のペースで行わなくてはいけませんから、あまり間が空いてしまうとどんどん周りから遅れていってしまいます。このくらいがちょうどいいですね」

売り上げを作りだすことが出来る人財を育てる秘訣は、現場のスタッフに自ら動いてもらう「伴走型」コンサルティングにありました。最終回となる第3回では、コンサルティング契約にあたっての石田氏の想いや考え方、インターネット業界のこれからの展望をお聞きします。