経営者インタビュー:株式会社ECマーケティング人財育成 代表取締役・石田麻琴氏(後編)

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良くないところも知ってから納得して契約してもらいたい

――実際にコンサルティングをお願いしたいというクライアントからは、どのように依頼がくるのですか。

「メールでお話をいただくか、人からの紹介のどちらかですね。その後は一度お会いして事業の内容などを聞いて、少しお話やアドバイスをして、そこまでで解決すればもちろんそれだけでOK。そうでなければ、毎月やっているうちのセミナーに『来てみますか』とお誘いします。セミナーで話を聞いてもらって、それから契約する形になります。

もしくは、最初にまずセミナーに来てもらって、うちのコンサルの概要を知ってもらってから個別に相談をして、それから契約するパターンもあります。いずれにせよ、必ず契約前にセミナーを挟んでもらうようにしています」

――セミナーを挟むのはどういう意図があってでしょうか。

「個別の相談では体系的に全部の説明をすることはできませんし、いいところだけを話すことになってしまうからです。セミナーは90分強程度ですが、僕のコンサルのいいところも悪いところも話します。

実際にコンサルに入ってから『思ってたのと違った』などと揉めるのは本意ではないので、全てをお話しして納得してから契約をしてもらいたいんです」

――悪いところも話すんですね。

「話します。うちのコンサルの良くないところって、時間がかかることなんですよ。現場の人達に動いてもらって、少しずつチューニングしながら売上を上げられるようになってもらう手法なので、やったことが即成果に結びつくわけでもないしどうしても時間がかかるんです。

さらには、スタッフのモチベーションや経営者の考え方によっては全く成果が出ないこともあるので、そのあたりはちゃんと予めお話しして知っておいてもらいたい」

――効果が出なかったこともあるんですか。

「今までは、あります。独立したての頃って信用がゼロなんで、実績を作るためには本質的に自分がやりたいコンサルじゃない仕事も受けなければいけないんですね。そうすると、結果が出るのが半分、出ないのが半分でした。これはもう、しょうがない。今までは、出なかったこともありました。

ただし、これからは出ないことはないと思います。

うちのコンサルってすごくシンプルで、やるべきことをやれば結果は出るでしょっていうコンサルなんですよ。だから、少なくとも現状より悪くなることはありえないです」

 

 

現場の人間のモチベーションが高い会社は伸びる

――コンサルティングの依頼は、経営者からが多いのでしょうか。

「圧倒的に多いのは経営者からのパターンですが、稀に事業責任者からお話がくることもあります。でも、大抵の事業責任者の人は僕の話を聞くと黙ってしまいます。事業責任者が来る場合って基本的には『サポートをしてくれるんじゃないか』と期待をしている場合が多いんですね。だから、『あなた達がやるんですよ』と言うと、期待と違っていたというような反応をされます。

ただ、今までに1社だけ部長から話を上に持っていって、且つそれが経営者に承認された例がありました。すごいですよね。要は現場の人間が『僕らはこの人にケツ叩かれに行きます』と社長に提案して、社長が『わかった』ってお金出したということですから。とんでもない会社だと思いましたね。絶対伸びますよ、その会社は」

――そういった現場のモチベーションが高い会社もあれば、逆に低い会社もあるかと思いますが。

「社員のモチベーションについては、個別相談の時に経営者と現場の担当者の雰囲気を見ると結構分かりますし、『あ、この会社上手くいかないな』と思うこともありますね。

ただ、社員のモチベーションというのは意外とカバーできる可能性があるんですよ。どちらかというとカバーできないのは経営者の考え方です。経営者の考え方がまるっきりズレていると、そちらはカバーできないですね。」

――カバーできない考え方のズレとはどのようなものでしょうか。

「僕が『人を育てながら売上を上げるんです』『現場のスタッフがきちんとデータを取って、やるべきことをやって、コンサルがそれをフォローするんです』という話をしても、考え方がずれている方だと『あれ、石田くんって何か上手いやり方知ってるんじゃないの?』という話になるんですね。

上手いやり方だけを求めてきているから、時間をかけて人を育てる話をしても分かってもらえないし、『上手いこと教えてくれないのか。石田は実力ないな』と判断されて、こちらから断るまでもなく向こうから離れていくことの方が多いです」

――そういって離れていかれてしまうのは気にならないのですか。

「僕、けっこう本質的には寂しがりやなんで、人に嫌われたり伝えきれなかったりするのは気にしますし、割とメンタルにくる方です。

でも、しょうがないんですよ。向こうが気付かないと変わらないんで」

 

インターネットの世界はまだまだ経験不足

「この仕事始めて3年くらいは『なんで分かってもらえないんだ』と思ってましたが、これはもう仕方ないんです。やっぱりインターネットの世界って、まだまだみんな経験値少ないんですよ。

今、成功しているところのほとんどが先行者利益なんです。最初に始めたから成功している。だから、成功者も汎用化されたノウハウを持っているわけではなく、自分たちの事例を持っているだけのところがほとんどです。でも後発組はその成功例を見ているので、『何か上手い方法があるんじゃないか』と思ってしまう」

――それで上手い方法を求めてやってくる、と。

「仕方ないんですよ、経験値が足りないんだから。でも僕は経験値を重ねさせることはできないから、どこかで気付いてくれて『石田さん、もう1回話を聞かせてください』と戻ってきてくれるのを待つしかないですね。

これまでに、いったん離れていってから戻ってきてくれたところが1社ありますが、これからもっと出てくると思います。インターネットの世界ってまだ始まって15年くらいですから、最初の10年は先行者が勝てる時代で今5年が後発組の時代です。ホームページ作ったりECサイト作ったりはしたものの、『これじゃダメじゃん』と経験から気付く人がこれからもっと出てくるのではないかと僕は思っています」

――最後に、閲覧者への告知事項があればお願いします。

「話の中でも出ましたが月に1回セミナーをやっています。値段やコンサルティングの内容の話もしますが、基本的には営業目的ではなく『皆さんちゃんとやりましょう』という話のセミナーなんで、是非一度いらっしゃってください。

セミナーに参加すると営業されるのではないかと心配する人もいると思うのですが、そういったものは一切ありません。こちらから押して押して営業してやってもらっても、『やれと言われたからやった』という履歴が残るとそれが言い訳になってしまいます。それでは意味がないので、僕は基本的に向こうから『お願いします』と言われて、こちらも『お願いします』という形でしか契約しません」

――ありがとうございました。

 

常に現場を見つめ、現場スタッフの実務に対してありとあらゆる提案・アドバイスを行うという石田氏。その中でも方向性がブレないのは、「インターネットビジネスで売上を上げられる人を育てる」という確固たる軸があるからだと感じました。