「余裕ができたら」では、やりたい事業は永遠にできませんよ

今はこの事業を主力としているが、近い将来は○○を主力事業にしていきたい」という会社があります。

例えば、「WEBサイトの受託開発会社が、いずれ自社サービスを立ち上げたい」や「メーカー・卸売業の会社が、ECサイトを立ち上げて直販ビジネスをしたい」といったものです。

中には「人材派遣の会社がWEBサービスを始めたい」のような、第三者から見ると今の事業と全然関係ないような話もあります。

このような会社はうまくいくのでしょうか? 個人的な考えを述べたいと思います。


やりたい事業をやらない理由

おそらく冒頭で述べたような会社の経営者は、やりたい事業が始められる余裕のある状況になるまで会社を成長させねばならないという気持ちがあると思います。会社が軌道にのって収益化するまで、収益の柱を用意しておこうというわけです。

このような会社は、コーポレートサイトの事業概要の中にまったく関係のない事業が含まれています。例えば、以下のような事業概要です。

  • 1. ゴルフ場のコンサルティング事業
  • 2. ゴルフ関連商品の企画・開発・卸業
  • 3. ゴルフ関連商品のEコマース事業
  • 4. 金融業のITシステムの受託開発
誰が見ても「4」の事業は、違和感をもってしまうと思います。

結論を述べますと、「余裕ができるまでとりあえずの事業で収益化を」と考えている会社が上手くいく可能性は低いように感じています。

もちろん例外はあります。しかし、「余裕ができたら始める」では、結局「やりたい事業」を始められないパターンに陥る会社が多数だと思います。

そもそも余裕などできません

では、いつまでたっても「やりたい事業」が始められない理由は何なのでしょうか?

そもそも「余裕」ができると思っているところに間違いがあります。「余裕」が意味するところは、時間と利益の余裕です。「利益の余裕」を得るためには、まず仕事を増やさなければいけません。

しかし、仕事が増えると「利益の余裕」は増えても「時間の余裕」が減ります。

「時間の余裕」を増やすためにスタッフを増員すれば、「利益の余裕」が減ってしまいます。しかも、スタッフが増えれば、管理コストが発生しますので、ますます「余裕」はなくなるのです。

いずれ忘れられる「やりたい事業」

「とりあえずの事業」も収益化してくると、その事業を進めることが会社の習慣となってしまいます。つまり「やりたい事業」へのシフトがやりにくくなってしまうということです。

「とりあえずの事業」にも市場があり、競合がいます。真剣に取り組まなければ収益が上がらなくなってしまいます。そうなると「とりあえずの事業」に掛ける人もお金も大きくなり、「やりたい事業」へのシフトが伸び伸びになってしまうのです。「やりたい事業」の準備会議は何回も開かれますが、いずれも単発でポシャってしまいます。

「やりたい事業」に時間とお金を投資し続けるには、「とりあえずの事業」が投資を賄える高収益事業である必要があります。「とりあえずの事業」専門の企業よりも、高付加価値のサービスを提供しなければなりません。

もちろん「とりあえずの事業」専門で勝負している企業と競争して勝つことは容易ではありません。いずれ「やりたい事業」を忘れて、「とりあえずの事業」に注力せざるを得なくなるのです。

「やりたい事業」を忘れる勇気

しかし間違ってはいけないのは、「とりあえずの事業」をやめて「やりたい事業」をやるべきだとは限らないことです。「とりあえずの事業」がうまくいっているのであれば、「やりたい事業」のことはキッパリと忘れ、上手くいっている「とりあえずの事業」に集中するという方法もあります。

「やりたい事業」を忘れられないがために、大きく成長できない会社は多々あります。逆に、「やりたい事業」へシフトすることの難しさに気づき、「とりあえずの事業」に注力して大成功した会社もいくつもあるのです。

まとめ

本当にやりたい事業があるのならば、最初からその事業一本でやるべきだと思います。「余裕ができたら・・」などと言っている会社に余裕などできません。

どうしても「とりあえずの事業」をやる必要がある場合は、半分の時間と一定の資金は「やりたい事業」に必ず使うと神に誓い、どんなことが起ころうが徹底をし続けるくらいの覚悟が必要なのです。

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