本当のところ、リモートワークってどうなの?

場所に縛られない働き方は、多くの独立ワーカーやノマドワーカーが実践している働き方ですが、企業においても在宅勤務の導入が増えてきています。

「オフィスで働かなければいけない理由」を考えたことがありますか? 従業員が一堂に集まって働く「オフィス」って本当に必要なのでしょうか?

今回は、最近注目のオフィス以外で働く働き方、いわゆる「リモートワーク」について解説します。


場所に縛られず働く。注目されているリモートワーク

「リモートワーク」「テレワーク」「モバイルワーク」「在宅勤務」など(呼称はさまざまですが)、会社のオフィス以外のどこでも働けるワークスタイルが近頃大いに注目されています。

「テレワーク」という単語は、以前から比較的よく使われていたワードです。これは、広義で「職場など一定の場所に縛られずにどこでも仕事ができる」ことを指します。

「在宅勤務」というと、働く場所が”自宅限定”的なニュアンスにありますが、「リモートワーク」・「モバイルワーク」などですと、カフェなど”場所はどこでもOK”というニュアンスが近いように思います。

大企業でも導入事例が増加。リモートワークが職場でどれだけ許容されるか?

ITベンチャー企業を中心にリモートワーク導入の動きはあり、また一方で、大企業でも、対象者や適用範囲(週1回限定など)を限定した上での導入が、ここ数年では広がってきた感があります。

さらに近頃では、リクルート社のような大企業でも全面的にリモートワークを導入している企業も出てきています。

ノマド―ワーカーがどのような働き方をするかは個人の判断に委ねられているなのですが、一般的な勤め人(「サラリーマン」というと男性限定のような意味あいになるので使いませんが、女性を含めた給与所得者を指しています。)にとって、リモートワークが職場でどれだけ許容されるかは、関心の高いことではないでしょうか。

「いや、会社というものは定時に全員オフィスに揃っているべきだ!!」という意見もあるでしょう。旧来型の日本企業では、未だ現状はそのような考え方の方が主流のようです。

そのような考え方を一概に否定するつもりはありませんが、実のところ、リモートワークの導入にはどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。

リモートワークの導入のメリット、デメリット

以下、リモートワーク導入によるメリット、デメリットを列記します。

従業員にとってのメリット

  • ・育児、介護など制約のある人でも働きやすい
  • ・居住地域に関わらず(例えば「東京在住」でなくても)働ける
  • ・通勤のストレス、時間の消耗が無い
  • ・集中して働き、生産性向上

会社にとってのメリット

  • ・従業員満足の向上
  • ・通勤費削減
  • ・座席数削減によるオフィスコスト削減
  • 特に、従業員満足の向上は離職防止、離職率低下につながります。また、居住地域の制約条件を外すことによって採用の母集団が広がります。結果として、優秀な人材を確保しやすくなります。


(従業員と会社双方の)デメリット

  • ・(言語、非言語の)コミュニケーション量が減ることによる生産性の低下
  • ・新人・若手・部下育成への悪影響
  • ・「見て覚える」「まねて覚える」OJT学習機会の減少
  • ・上司や同僚の目が十分に目が届かないために発生する「サボり」の懸念
  • ・評価の問題
  • 「成果で評価」をするとしても、何をもって「成果」を判定・判断するかが明確でないと、「頑張った感」が目に見えにくいリモートワーク勤務者が評価で不利になりがちではないかと不安を感じ、従業員のモチベ―ションが下がる恐れがあります。


  • ・リモートワークのためのルール作りが大変
  • 実は事務局、担当者にとってはこれが一番大変。一度決めた労働条件を変えるのは、「不利益変更」の問題もあり容易ではない。また、人事的には、情報セキュリティ対策、労災適用範囲のルール決め、通信費や設備、通勤費等の費用負担ルール作り、様々なケースを想定した勤怠の扱い等のルール決めが必要になる。


  • ・オフィスへの求心力低下
  • リモートワークが定着すればするほど、「わざわざオフィスに行く価値があるの?」と、従業員は感じるようになる。あえて「オフィスで働く」ことの意義、意味を積極的に見出し、従業員に積極的に活用してもらうための「仕掛け」がオフィスに必要になる。


リモートワークの導入は、これらのメリットとデメリットを十分に考慮した上で、各社で判断することになります。

ベンチャー企業が先行してリモートワークを取り入れている理由

なお、IT系のベンチャー企業が、先行して積極的にリモートワークを取り入れている理由はいくつかあります。

まずは、特にエンジニアにとってはリモートワークは相性の良い働き方であることです。例えば、プログラムを書くコーディング作業は、ノートPCさえあればいつでもどこでも実施可能です。

他人とコミュニケーションをせずに集中して取り組む時間が、業務時間の中でそれなりの割合を占めるのであれば、わざわざ時間をかけて会社に通勤して騒がしいオフィスで仕事をするよりも、自分にとって能率的に集中が出来る環境(自宅やカフェなど)で仕事をしたほうが生産性が上がります。

そして、近年著しい、リモートワークを実現するためのIT系ツールの進歩(SkypeやWeb会議システム、Dropbox、Box等のファイル共有サービス、Slackなどのチャットツールなど)に対していち早く対応し、活用できたのは、ITリテラシーが高いエンジニアがいるような会社だったということでしょう。

さらには、大企業よりベンチャーの方が、足を引っ張る制約が少ないという点も考えられます。ベンチャー企業では、前例のないことはとりあえず妨害するという社風や、上司・同僚に邪魔されるという大企業的な制約が、(一般的に)あまりありませんので、過去の常識や慣習にとらわれず、良さそうなものをいち早く取り入れることが容易です。

大企業で進む意識改革。「ワークスタイル変革」の取組の広がり

とはいえ、最近の傾向では、まだ一部の企業に留まるものの、大企業でも在宅勤務の取り組みを始めるところが増えはじめており、「ワークスタイル変革」「働き方変革」といったフレーズもよく聞かれるようになってきました。

「ダイバーシティ」「LGBT」という概念が一般的になってきた中で、より高い成果を挙げるための手段として、画一的でない多様なスタイル・働き方を容認することが必要になってきたという認識が、(日本の)大企業の中でも常識となり始めていることも考えられます。

すでにリモートワークを本格導入している著名な大企業の方からは、「リモートワークのない時代に戻るなんてもう考えられない!」という感想もお伺いしています。数年後には、リモートワークを取り入れない会社の方が少数派になっているかもしれません。

記事提供:Business Nomad Journal
資料請求